2012/8/28 火曜日

【古書紹介】浦口真左「虫と草―ある生物教室の記録」

Filed under: 未分類 — aizawa @ 17:56:04

神谷美恵子著作集が入庫いたしております。神谷美恵子については情報が多いので、著作集補巻2の「往復書簡集」の文通相手、友人「浦口真左」の代表作「虫と草」目次、および略歴を付記いたします。

浦口真左「虫と草―ある生物教室の記録」

浦口真左「虫と草―ある生物教室の記録」中表紙

<「虫と草―ある生物教室の記録」 浦口真左 内田老鶴圃 1950年> 

目次

口絵

序 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 篠遠喜人

はじめに

【第一部】 東京にて (昭和16年~昭和18年)

       水をのぞく

       虫と御馳走

       武蔵野の遠足

       園芸部の日記より

       ウサギの飼育日誌

       カビと細菌

       考え方と表し方

       生物教室で見た映画

       イチョウウキゴケの観察

       考察力と記憶力

【第二部】 小諸にて (昭和21年~昭和25年)

       水田の藻

       草木染めの研究

       カワラケツメイでお茶をつくった記録

       理科自由研究発表会で感じたこと

       有毒植物でハエの幼虫を殺す実験

       お山の日記

【第三部】 再び東京にて (昭和26年~昭和29年)

       十国峠の植物

       水耕実験(1)

       神武寺山のシダ植物

       箱根山の遠足

       水耕実験(2)

       オタマジャクシの観察

       真鶴の遠足

       ゾウリムシの化学的刺激に対する反応

       ミドリムシとイトミミズの趨光性の実験

       淡水産プランクトンの観察

       フランスギクの双頭

       オシロイバナの葉の観察

       東京と秋田(大阿仁村)の温度

       クロモの同化作用の観察

跋 「虫と草」によせて ・・・・・・・・・・・・・・ 矢頭献一

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【略歴】 浦口真左(うらぐちまさ) 1914年―1984年

1914年(大正3年)1月13日生れ 東京府荏原郡大森町新井宿(現・大田区中央)

*父は英文学者、浦口文治。浦口健二(東京大学医学部教授)は兄。浦口照子(ソプラノ歌手)は義姉。

1935年(昭和10年) 東京女子高等師範学校理科卒

1935年-1938年(昭和10年-昭和13年) 母校普連土女学校に勤務

1939年-1940年(昭和14年-昭和15年) 

普連土の留学生としてペンドル・ヒル留学、ペンシルヴエニア大学生物学部大学院修士課程修了(マスター・オブ・サイエンスを受ける)

*「ペンドル・ヒル」とは、フィラデルフィアのクエーカーの成人学校。ここの寮で神谷美恵子と同室となる。
* ペンシルベニア大学研究室で植物学者・神谷宣郎とは同僚。

1940年(昭和15年) 帰国、普連土女学校に勤務

1941年(昭和16年) 原形質に関する研究2篇を発表

1945年(昭和20年) 長野県北佐久郡御代田村に疎開

1946年(昭和21年) 小諸町で高原学舎の創設に加わる

1947年(昭和22年) 小諸新制中学校に勤務

1949年-1951年(昭和24年-昭和26年) 国立小諸療養所に病理助手として勤務

1951年(昭和26年) 普連土学園教諭となる。

1951年(昭和26年)8月、三重県大台ヶ原に研究旅行中、谷に転落、大怪我をする。治療のため2年近く休職。(1953年4月より復職。)

1976年(昭和51年) 定年より一年早く普連土学園を退職する。

1984年(昭和59年)10月27日没(70歳)

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【著書・論文】

1947年(昭和22年) 「野の白鳥 : アンデルセン童話集」民風社 (翻訳)

1947年(昭和22年) アオミドロの細胞の成長と分裂について (植物学雑誌)

1948年(昭和23年) 浅間山の資料資源について(信濃教育740号・昭和23年8月)

1950年(昭和25年) 浅間山湯の平火口原の森林について〔予報〕(植物学雑誌63巻741・742号・1950年5月)

1951年(昭和26年) クエン酸血による血液比重の測定 (医学と生物学18巻5号・1951年3月・小川静男と共著)

1951年(昭和26年) 赤血球沈降速度測定に関する吟味(1)30分値1回測定の意義 (医学と生物学19巻1号・1951年4月・小川静男と共著)

1951年(昭和26年) 赤血球沈降速度測定に関する吟味(2)1時間値1回測定の意義(医学と生物学19巻2号・1951年4月・小川静男と共著)

1955年(昭和30年) 「虫と草―ある生物教室の記録」内田老鶴圃 *単行本

【その他】

1969年(昭和44年) 浅間火山湯の平火口原の植物生態学的研究 (科研・採択課題)

 *参考文献 浦口真左「虫と草―ある生物教室の記録」、みすず書房「神谷美恵子・浦口真左往復書簡」

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